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意外と知られていないオンライン塾の実態

オンライン塾は、ここ数年で一気に一般化した。
「通塾不要」「自宅で完結」「効率が良い」といった言葉とともに、多くの家庭が選択肢として検討している。

一方で、オンライン塾について語られる情報は、どこか一面的だ。
便利さや先進性ばかりが強調され、実際に使ったときの現実はあまり共有されていない。

この記事では、塾講師として10年、対面・個別・オンラインすべてを経験してきた立場から、
オンライン塾の実態をメリット・デメリットに分けて整理する。

向いている人と向いていない人がはっきり分かれる仕組みだからこそ、冷静に見てほしい。

目次

メリット①

部活・クラブで多忙な生徒の「隙間時間」に刺さる

オンライン塾最大の強みは、時間の使い方に対する柔軟性だ。

部活やクラブ活動に本気で取り組んでいる生徒ほど、
「まとまった勉強時間が取れない」という問題を抱えている。

平日は帰宅が遅く、
休日は遠征や練習で潰れる。
通塾型の塾に合わせて生活を組み立てるのが、そもそも難しい。

オンライン塾は、こうした生徒の

  • 夜の30分
  • 空きコマ
  • 移動前後の短時間

といった細切れの時間を学習に変えられる。

この「隙間時間特化型」の設計は、対面塾ではほぼ不可能だ。

メリット②

自宅受講がもたらす保護者の安心感

オンライン塾は、生徒本人だけでなく、保護者側の心理的ハードルも下げる

自宅で受講できることで、

  • 夜遅くの送迎が不要
  • どんな授業を受けているか把握しやすい
  • トラブルが起きにくい

という安心感が生まれる。

特に中学生以下では、
「どんな講師が、どんな雰囲気で教えているのか」が見えること自体が大きい。

対面塾ではブラックボックスになりがちな部分が、
オンラインでは可視化されやすい。

メリット③

地方・局所地域でも有名大卒講師を指名できる

オンライン塾の本質的な価値は、
教育資源の地域格差を一気に縮めたことにある。

地方や局所地域では、

  • 難関大卒講師が少ない
  • 選択肢が限られる
  • 塾の質が地域依存になる

という問題が長年存在してきた。

オンライン塾では、

  • 有名大学出身
  • 特定科目に強い
  • 指導実績が可視化されている

講師を、地域に関係なく指名できる。

これは、地方の家庭にとっては革命的な変化だ。

メリット④

教える側の質が可視化されやすいオンライン塾では、講師の質が数字や評価として現れやすい。

  • 継続率
  • 満足度
  • 成績の推移

これらが管理されるため、
「なんとなく続いている講師」は残りにくい。

対面塾では曖昧だった評価が、
オンラインではシビアになる。

結果として、教える力がある講師が残りやすい構造ができている。

メリット⑤

通塾コストと時間コストが消える

オンライン塾では、

  • 移動時間
  • 交通費
  • 待ち時間

がすべて消える。

これは単なる節約ではない。
生活の可処分時間が増えるという意味を持つ。

特に共働き家庭や地方では、この差は大きい。

デメリット①

生徒の集中力は想像以上に不安定

ここからはデメリット。

オンライン塾最大の弱点は、
学習環境を自分で管理しなければならない点だ。

自宅には、

  • スマホ
  • ゲーム
  • 家族の気配
  • 生活音

集中を妨げる要素が常に存在する。

対面塾のように「そこに行けば勉強する」環境効果は期待できない。

デメリット②

授業力が低い講師は即バレる

オンライン塾では、ごまかしが効かない。

説明が曖昧だと、

  • 生徒は黙る
  • 反応が消える
  • 離脱が起きる

対面授業で成立していた「空気」や「勢い」は通用しない。

これは講師側にとっては厳しいが、
生徒側にとっては質の担保にもなる。

デメリット③

生徒のタイプを選ぶ

オンライン塾は万能ではない。

向いていない生徒の特徴ははっきりしている。

  • 自習習慣がない
  • 指示待ちタイプ
  • 強制力がないと動けない

こうした生徒は、
対面塾の方が成果が出やすいケースが多い。


デメリット④

安さの裏にサポート不足がある場合も

オンライン塾は「安い」と言われがちだが、
安さには理由がある。

  • 授業時間が短い
  • フォローが限定的
  • 個別対応が少ない

価格だけで選ぶと、
「思ったより見てもらえない」という不満につながる。

デメリット⑤

教育を丸投げすると失敗しやすい

オンライン塾は、
生徒・家庭の関与がゼロでも回る仕組みではない。

目的や使い方が曖昧だと、
「受けているだけ」になりやすい。

実際にあったエピソード①当日の授業キャンセル

自宅のネット環境が不安定で授業に参加できなかったケース

オンライン塾で、意外と多いトラブルが通信環境の問題だ。

ある生徒は、授業開始時間になってもログインしてこなかった。
数分後に連絡が入り、「ネットがつながらない」とのこと。

詳しく聞くと、
自宅の回線は家族全員で共有しており、
その時間帯は動画視聴やゲームと重なっていた。

結果として、その日の授業は実施できなかった。

ここで問題になるのが、当日キャンセルの扱いだ。
多くのオンライン塾では、

・講師は待機している
・時間枠は確保されている

という理由から、
当日キャンセルは振替不可、もしくは制限付きになる。

保護者からは
「仕方ないのでは?」という声も出たが、
制度上どうにもならない。

オンライン塾は場所を選ばない反面、
通信環境の責任は家庭側にある

この点を理解していないと、
「融通がきかない」「冷たい」と誤解が生じやすい。

実際にあったエピソード②オンラインならではの問題

カメラオフで進む、誰に向けた授業かわからない時間

別のケースでは、
コミュニケーションが苦手な生徒が、
終始カメラをオフにしたまま授業を受けていた。

声は聞こえるが、
表情も姿勢も見えない。

理解しているのか、
ついてきているのか、
そもそも画面の前にいるのか。

講師側からすると、
誰に向かって説明しているのかわからない状態になる。

もちろん、
無理にカメラオンを強制することはできない。

だが、
反応が一切見えない授業は、
対面以上に神経を使う。

結果として、

・説明が一方通行になる
・確認作業が増える
・授業効率が落ちる

オンライン塾は、
「静かに聞いていれば成立する」わけではない。

最低限のコミュニケーションが取れない場合、
講師側の負担が一気に増える。

実際にあったエピソード③親が邪魔するケース

高校生なのに、親が隣でずっと聞いているケース

三つ目は、保護者との距離感の話だ。

ある高校生の授業で、
最初から最後まで、保護者が隣に座っていた。

質問に答える前に、
一瞬、保護者の方を見る。
こちらが問いかけると、
画面外から小声で指示が入る。

一見すると、
熱心な家庭のように見える。

しかし、この状況には問題がある。

高校生にもかかわらず、
学習の主体が生徒本人に移っていない

オンライン塾は、
自立を促す学習形態でもある。

保護者が常に介入すると、

・自分で考えない
・間違える経験を避ける
・講師との関係が築けない

という状態になりやすい。

結果として、
成績以上に「学び方」が育たない。

俺の結論

オンライン塾は「合う人には強烈に刺さる」

オンライン塾は、

  • 隙間時間を活かしたい生徒
  • 忙しい家庭
  • 地方で選択肢が限られている人

にとって、非常に強力な手段になる。

一方で、

  • 環境管理ができない
  • 受け身になりがち
  • 強制力を求める

こうしたケースでは、期待外れになることも多い。

オンライン塾は魔法ではない。
だが、条件が揃えば、対面塾以上の価値を出す仕組みでもある。

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