かつて流行のど真ん中にいた「ミニマリスト」。SNSや書籍で持てはやされ、一部の人たちにとっては「これが理想の生き方だ!」と憧れの対象だった。でも今、あの熱狂はどこへ行ったのか。実態を探ってみると、ミニマリストというライフスタイルには、想像以上に複雑な裏事情があることが見えてきた。
1.ミニマリスト
ミニマリストとは、必要最小限の物で生活する人たちのこと。部屋にはベッドとテーブルだけ、洋服は数着だけ。極端な例だと、歯ブラシとスマホしか持たないなんて人もいる。要するに「物を減らすことで、心と時間を豊かにしよう」という考え方だ。
もともとはアメリカの「Minimalism」という思想から派生したもので、現代社会の物質主義への反発から生まれたムーブメントだ。日本では「シンプルライフ」や「断捨離」などと混同されることもあるが、ミニマリズムはそれ以上にストイックな印象がある。
2. 注目を集めた「ミニマリスト」
ミニマリストが一気に注目を集めたのは、SNSの力が大きい。例えば、YouTubeでは「ミニマリストしぶ」や「佐々木典士」など、ミニマリスト系インフルエンサーが次々と現れた。彼らは物を捨てて得た解放感や、シンプルな暮らしの心地よさを発信し、多くの共感を集めた。
また、佐々木典士の著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』はベストセラーになり、ミニマリストブームを後押しした。本棚もない、家具もない、そんな生活が「新しい自由の形」としてもてはやされた。
3.実態はどうだった?ただの貧困だった説
ところが、ミニマリストの実態を深掘りすると、「単なる貧困を美化してるだけじゃない?」という指摘も少なくない。確かに、「持たない暮らし」は一見かっこいいけど、実はそれしか選べなかった人たちも多かった印象だ。
たとえば、経済的な理由で家を小さくせざるを得なかったり、物を買えない状況を無理やり「これがミニマリズム」とポジティブに語ったり。結果的に、見栄えの良い部分だけが切り取られて発信されていただけじゃないかという意見もある。
俺自身、一時期ミニマリストを目指したことがあるけど、必要な物まで捨ててしまった結果、不便さが生活の中に残った。そこに感じたのは「ストレス」だった。確かに物は減ったけど、それで本当に幸せになれたかというと、正直疑問だった。
※インフルエンサーを貧困だと言っているわけではない。
4.ミニマリストは1人で完結しない——見てもらうことで価値が生まれる
ミニマリズムのライフスタイルは、一見「個人の選択」のように見えるけど、実際にはSNSで発信することで初めて価値が生まれるものでもある。Instagramで「ミニマルな部屋」の写真を投稿したり、YouTubeで「持ち物公開」をすることで、「こんなにシンプルな暮らしをしている自分」をブランド化していた。
これが、ミニマリズムの最大の矛盾点だ。物を捨てて自由になろうとしながら、その「自由」を他人に見せることで承認欲求を満たす。SNSがなければ成立しない、いわば「見せるための自由」だったとも言える。
しかし、SNSでの競争も過熱し、「もっと物を減らさなきゃ」「極限までシンプルにしなきゃ」とプレッシャーを感じる人が増えた。それがブームの終焉を招いた理由の一つかもしれない。
5.ミニマリズムの落とし穴:心は確かに落ち着く…(一時的に)
物を捨てると、一時的に「スッキリした!」という気持ちになる。部屋が片付くと、視覚的にも心が落ち着くからだ。でも、その感覚は長続きしない。物を減らして得られる「解放感」は一過性のもので、やがて「本当にこれでいいのか?」という不安が襲ってくる。
物を捨てすぎて、逆に生活が不便になることもある。たとえば、「あの時捨てたやつ、やっぱり必要だった」と後悔したり、「また買い直す羽目になった」なんてケースも少なくない。結果的に、物を減らしたことで感じたはずの自由が失われる皮肉な状況だ。
6.断捨離=ミニマリストじゃない
「断捨離」とミニマリズムは似て非なるもの。断捨離は不要な物を手放してスッキリさせる考え方で、生活をより良くするための一手段だ。一方で、ミニマリズムは「物を持たないこと自体が美徳」という哲学的な側面が強い。
断捨離は必要な物は残していいけど、ミニマリズムはそれすらも極限まで削ぎ落とす傾向がある。その差が、生活を快適にするか不便にするかを分けるポイントになっている。
7.俺の結論:自分に合ったバランスを見つけよう
結局、ミニマリストは「物を持たないこと」に縛られすぎていたんじゃないかと思う。物を減らすことで得られる自由はあるけど、それが全てじゃない。むしろ、大切なのは「自分にとって本当に必要な物」を見極めて、無理のない範囲でシンプルさを取り入れることだ。
俺が学んだのは、「物の量」と「幸せ」は必ずしも比例しないってこと。ミニマリズムに憧れる気持ちは分かるけど、それを盲信するのは危険だ。シンプルさも効率も大事だけど、自分らしさを犠牲にする必要はない。
だからこのブログでは、極端に走らず、自分に合ったシンプルで効率的な生活を提案していく。物を減らすだけじゃなく、豊かさも一緒に手に入れる方法を探すほうが幸せと思う。むしろ減らすのではなく、増やすことで利便性が上がるものもあるはずだ。
たとえば、スマホ1人1代が原則だと思われているが、複数台所有で効率は向上する。嘘だと思う人は関連記事を読んでくれ。
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